THE RUTLES / ARCHAEOLOGY

(1996)

 世界最強のビートルズのパロディバンド、ラトルズの2枚目のアルバムです。
 元々モンティ・パイソンのメンバーだったエリック・アイドルのTV番組から始まったなんちゃって企画が発展し、ボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンドのニール・イネスが音楽を担当した一回キリの架空のバンドでしたが、なんと20年近く経ってからビートルズのアンソロジープロジェクトに便乗してこのアルバムを発表しました。残念ながらエリック・アイドルは不参加でしたが、タイトルは『ANTHOLOGY』ならぬ『ARCHAEOLOGY』、ジャケはモロ『PAST MASTERS』のパクリという徹底ぶり。
 で、もっと徹底してるのが中身。「SGT.PEPPER'S…」ソックリの「MAJOR HAPPY'S UP AND COMING ONCE UPON A GOOD TIME BAND」で幕を開け、次から次へとビートリッシュな楽曲が続きます。ただし1stアルバムのようにビートルズの原曲との対応が1:1ではないところがミソ。今回は必ずしもどの曲がどの曲のパロディって感じじゃなくて、それぞれの曲の随所にいかにもビートルズっぽいメロディやアレンジが盛り込まれ、自然な仕上がりになっているんです。特にニールの2ndソロアルバムに収録されていた「SHANGRI-LA」の新ヴァージョンの完成度はすさまじいものがあります。
 例えばトッド・ラングレンの『ミート・ザ・ユートピア』に代表される数あるビートルズへのオマージュの中でも、ニールの生まれついての英国人気質がビートルズのそれと極めて近いという点でダントツのしっくり感。

2005/04/10


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