最近のLinuxの勢いはすごいものがあるな。私のコラムの中でLinux用ATOKも出るかもしれないなんていってたら、それが出ちゃいますよ。うそみたいだ。日本のデストリビューターだってすごいよ。老舗のTurbo Linuxを始め、Redhat Linuxの日本語版、Plamo LinuxそれにVine Linuxと次から次へと新パッケージが発表された。

 特に私が目を付けているのが、Vine Linuxだ。ベースが業界標準といっても良いRedhatで、パッケージもほとんどが最新版が使われ、日本語化が徹底している。主要コマンドが日本語で出るなんて、あのDOS/V創成期を彷彿させるね。設定ファイルの編集に便利なvedit(結構はじめからvi、muleじゃ、しんどいモンネ。)やメールソフトのvmailなどの独自のアプリも含まれ、正式版がなんと雑誌の付録についてくるんだからたまらない。もうこれを使わない手はないよ。

  一方、最近のインターネット関係に目をやるとどうだね。NTTが近いうちに広範囲な定額性に踏み切るというニュースも入ってきてるじゃないですか。そしたら今より増してインターネットの利用が高まるはずだ。

 そこでだ、我が家でもいつも自分の部屋だけでインターネットというのも面白くない。餓鬼どもが寝静まった後、居間でかみさんといっしょにVAIOでインターネットサーフィンってのもいいじゃないですか。 

 床下を這い回ってやっと自分の部屋と仕事場との間にLANケーブルを渡したのを機に、今度は天井裏を這い回って自分の部屋と2階の居間との間にLANケーブルを渡す予定だ(できるかどうかわからんけど)。そしてだ、今回は、自分の部屋にハブとモデムとLinuxボックスを設置し、Linuxボックスをインターネット用のダイアルアップルーター(ここで、市販のダイアルアップルーターを買うのはLinuxタコとしては、面白くない。)にしようという魂胆だ。そうすりゃ2階からだってサーフィンできるで。


 以前Linuxで使っていたDELLマシーンは、仕事のほうで使おうかなと思っているので、今回Linux用に、できれば小さいマシーン(今となってはDELLはばかでかいな。)がほしいと物色することとなった。 

 予算は2-3万円として、はじめ中古の486ノートを探していたけど、意外とネックになったのがシリアルポートの転送速度だった。ほとんどの486ノートのCOMは最高で9600bpsという、今となっては遅すぎてしまう。かといって5万、10万前後の中古を買うのも面白くない。

 後は省スペースベアボーンでも探してみることとなった(CDROM、1.2GBのHDDがあまっていたので)。niftyのBBSでTrigem社の省スペースdescktopPCの中古がDIMMつきベアボーンの形で出ていたので、2万ちょっとでゲットした。CPUはプリントサーバー機のペンタ100を持ってきて、プリントサーバー機には友人から拝借したペンタ90を突っ込んだ。ソフトのほうは簡単よ。ドスマガの5月15日号に付録のCDROMでvineLinux1.0がついてきた。


PC Trigem gemSTATION2525
pentium 100MHZ(clock up to 120MHZ)最低の設定クロックが120だった。
ちょと心配(~_~;)
RAM 32MB DIMM (using 2MB for video memory)
VIDEO chip SiS 5598B shared memory 2MB
CDROM ×2 ATAPI
LAN card elecom社製 ISAバスNE2000コンパチ LD-NE20/T (IRQ 9、 I/Oポート 0x300)
modem 28800 外付け COM1
mouse PS/2 2ボタン(メーカー不詳の安物)
HDD 1.2GB EIDE
monitor ELECOM HRM-14E  水平24-60kHz  垂直 50-90Hz
soft Vine LInux 1.0


 一番問題になるのがvideo chipだ。SiS5598がXfree86でサポートされているかどうかだ。
Vineに入っているXFree86は3.3.3.1で去年の暮れあたりに出た最新バージョンだ。このバージョンで始めてSiS5598がサポートされたようなのである。ラッキー!しかし出たばっかりだから安定してるかどうが問題だな。



 インストールもslackwareから比べるとめちゃ簡単だという感じだ。途中から日本語が現れ、Linuxのインストールは難しいなんてのは過去の話になっちゃったね。

IDEのHDD、ATAPIのCDROMだったら、CDROMのIMAGESディレクトリにあるMKBOOT.BATを実行すりゃ、簡単にbootdiskの完成だ。

 あとは、画面にしたがってインストールすればいい。著しく簡単だ。勘所としてはインストールクラスの画面では、カスタムを選んだほうがいいかも。ディスクのセットアップの画面では、Disk Druid よりfdiskのが性に合ってたね。Disk Druidだと拡張領域ばっかし作っちゃって変だよね。
領域設定は、結局以下のようにした。

swap 30MB
/ 80MB
/dos 250MB(win95がインストールされている。もう少し少なくてもいいよ。)
home 160MB
/usr 690MB(これではちょっと少ないかも。800MBぐらいあると余裕)

 インストールコンポーネントはノートPCツール項目以外はデフォルトのままでインストールした。
ISAのLANカードも、特別な設定をしなくても、画面の言いなりで、自動検出を選んだら難なく認識されたのにはびっくりした。いよいよPCI機器の検出のところでは、うまくvideocardが検出されるかどうか心配だったけど、無事SiS5598を検出。モニタセットアップではgeneric monitor 31-64 を選び、画面設定のところでは、自動検出を選んだ。ネットワークの設定は後でもできるので、やんなくてもいいや。

 インストール終了し再起動、startxとタイプすると、無事Window Makerが立ち上がった。

何と品のいい画面だ。バックの紫が決まっているよ。

 しかし、800*600の画面だった。2MBメモリーあるんだから、16bitで1024*768出るはずだ。XFreeSetupか、Xconfiguratorを起動して、1024*768に設定すると、ガッチョーン。Xが起動しないよ。どうしてどうしてどうしてなの。
 しかし、待てよ。

startx >& x.log

とやって、x.logを見てみると、なんとvideomemoryが

1MBしか認識されていない

もう一度biosの設定を確認したが、たしかに2MBビデオメモリをshareしているよ。くそ!ためしに4MBにしてみっか。そしたらどうだ。やんなっちゃうよね。案の定、半分の2MBしか認識されていない。無事16bit 1024*768立ち上がったけど。これって

ドライバのバグ?

仕方ないか、98年年末にやっとサポートされたチップだからな。X立ち上がっただけいいか。
98年中はSiS5598のチップの載ったasusのマザーなんかでLinuxでXが立ち上がらなくて困ったなんてほざいてたユーザーもいたとかいないとか。

しかし、VineLinuxのXの画面はいいね。いままでみたXの画面で一番すばらしい(Enlightenment+gnome,KDEはもっとすばらしいのだろうね。でも重たそう)。一目ぼれだ!


 WindowMaker(WM)の使いやすい点は

ランチャーへのソフトの登録がすごく簡単

なことだ。

ほかのwindow managerなんかは、設定ファイルを編集しなきゃならないのに、WMは、アイコンをいわゆるdockのところににドラッグアンドドロップするだけだ。試しにktermでmuleを起動すると下のほうにシカみたいな動物のアイコンが出るのでそれを右のアイコンが並んでるところの一番下までドラッグするとそれで終わり。あっけないのにびっくり。 dockに登録したアイコンを削除したいときは、画面の中心部付近までドラッグしてドロップすると、アイコンがバラバラになって飛び散って消えるというアニメも見られるよ。これはしゃれているね。

 ほかの設定も、WPrefsを起動すればGUIでできるし、今までのwindow managerと比較するとだいぶ楽になっている。

ディスクトップテーマもいろいろあって遊べるよ。
マウスの右クリックで、メーンメニューを呼び出し、「外観・効果音の設定」から「テーマ」、するとデスクトップテーマを選択するメニューが出てくるから、このメニューからテーマを選ぶことで変更できる。

また、http://wm.themes.org/のサイトからいろいろなテーマをダウンロードしても遊べる。
rootでログインした時のデスクトップを設定する場合は、「/root/GNUstep/Library/WindowMaker」にダウンロードしたファイルを置いて、tar -xvzf で解凍すればいいし、別ユーザーでログインした時のデスクトップなら、ユーザーディレクトリの下にある「GNUstep/Library/WindowMaker」に置いて解凍すればいい。

テーマもいろいろあって、エヴァンゲリオン

なんかもあるよ。かなり日本人がアップしてるみたいだ。

 日本語化のほうもかなり徹底してる。インストール直後から、canna、kinput2が使えて、muleではもちろん、shift+spaceバーを押せばktermなどでの

インライン入力も即OK。

 turbo linux3.0よりも徹底しているし、面倒くさい設定が不要なのが一番嬉しいね。

 updateは、しておいたほうがいいかもしれない。特に、netscapeで、yahooなんかで検索文字を入れると、検索途中でfreezeしてしまって使い物にならないので、これはアップデイト必須かも。


 さて、TCP/IPの設定だけど、LANカードも認識されているので、コントロールパネルのnetworkを選んで順に設定していけばOKだ!ktermから
controlpanel &
とタイプするとredhatの4.0にもあった懐かしいコントロールパネルが現れる。redhat4.0と比較すると、diskに関する項目がなくなっていて変わりに、linuxconfの項目が追加されている。そこでnetworkを選択して設定していく。

class3のプライベートアドレスを設定するのであれば図のようにやればOKだ。ただ気を付けるのは、routingの項目のところの Network Packet Forwarding のところは必ずチェックを入れて有効にしておく。これを有効にしないとIPマスカレードが働かなくなってしまう。この項目はredhatの4.0にはなかった。ネームサーバーのところはプロバイダのDNSを記入する。それに、Default Gateway は必ず空欄にしておく。ppp接続のときに、default routeを、プロバイダから与えられた動的IPアドレスにするためだ。



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