ジャズ界に超絶なテクニシャンは多いですが、ヴァーチュオーゾの称号を与えられる人は限られています。ピアニストで言えばこのオスカー・ピーターソン(p)。これはレイ・ブラウン(b)、エド・シグペン(ds)との黄金のトリオで録音された『プリーズ・リクエスト』の邦題で知られるベストセラーアルバムです。
鉄壁のリズム隊をバックに従えて、「イパネマの娘」をはじめとするポピュラーなスタンダードを、転がるような軽快なタッチで縦横無尽に弾きまくっています。次々と繰り出される小粋なフレーズの数々はめちゃめちゃスウィンギーで、「心地良い」の一言。ワンマンピアノトリオの最高峰です。
ちなみに、様々なジャズの名盤がデジタルリマスタリングで再発される昨今、ありがたみが薄れているかも知れませんが、アナログ時代から音質が良い点でも名盤だったそうです。
2003/08/01