CAMEL / THE SNOW GOOSE

(1975)

 アンディ・ラティマーを中心とした超叙情派プログレバンド、キャメルの3rdアルバム『スノー・グース(白雁)』は、紛れもなく彼らの最高傑作です。
 ポール・ギャリコの小説にインスパイアされて創り上げた、全編インストゥルメンタルのアルバムとなっており、優雅で洗練されたメロディアスな楽曲が切れ目なく続いていく展開はファンタジックの一言。タイトなリズム隊をバックに変幻自在に飛翔するアンディのギターの音色があまりにも甘美に響きます。またアンディは、このアルバム中でも特に人気のあるパート「醜い画家ラヤダー」等において、ギターをフルートに持ち替えて愛くるしいフレーズを繰り出しており、これがまたイイ雰囲気です。
 そしてそれを支えるピーター・バーデンスのキーボードの役割も地味ながら非常に重要。キャメルの顔がアンディであることに異論はありませんが、このファンタジックな世界がピーターの脱退をもって終焉を迎えた感があることを考えると、彼こそキャメルサウンドの核だったのかもしれません。その彼ですが、残念ながら近年他界してしまいました。(合掌)

2003/11/16


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