狂気の天才ピアニスト、バド・パウエル(p)の人気盤で、ブルーノートの『THE AMAZING BUD POWELL』と題されたシリーズの第5集にあたります。
真に革新的なプレイでモダンジャズピアノのスタイルを確立し、多くのフォロワーを生んだ功績はあまりに大きく、そういった意味では楽器こそ違えサックスのチャーリー・パーカー(as)となぞらえて語られたりもします。その後何十年もの時が流れ様々なスタイルが登場した現代の耳で聴いても、彼のプレイのひらめきや厳しさは色あせていないことから、当時だったらこれがどれだけ衝撃的だったかは想像に難くありません。
ホントにすさまじい勢いで才気がほとばしっていたのはシリーズの第1集あたりの時期かもしれませんが、このアルバムには名曲として語り継がれる「クレオパトラの夢」が収録されているため最大のヒット作となっています。
ただし、こういった天才にありがちな破滅型の人生を送っており、その点もチャーリー・パーカーと同様でした。
2005/07/30