THE BAND / SAME

(1969)

 アメリカのルーツミュージック探訪の旅をするほぼカナダ人によるグループ、その名も‘ザ・バンド’の、1stと甲乙付けがたいロック史上に残る大名盤であり、最高傑作の誉れ高い2ndアルバムです。
 単体としての名曲は1stの方が多いものの、アルバム全体としての完成度はむしろこちらの方が高まっているような気がします。それに加えて私が敢えてこちらを選んだ最大の理由はジャケットの持つ雰囲気。当時、メンバーそれぞれ20代だったと俄には信じられないこの風格。そしてそれに違わぬ渋〜い内容。バンドの目指したサウンドコンセプトを見事に表したジャケットデザインだと思います。
 ロックに目覚める血気盛んな若い頃に、このバンドの醸し出す世界がどれだけアピールするかは甚だ疑問ですが、万一ハマってしまったが最後、抜け出せない魅力があります。特に3曲目「オールド・ディキシー・ダウン」あたりの持つ深みたるや、同時代の他のロックと並べると奇跡というか突然変異と言っても良いくらい。
 演奏も鉄壁なので、メンバー同士の結束も相当固いものと思っていましたが、中心人物だったはずのロビー・ロバートソンが絶対に再結成に加わらないことから察するに、実は一人だけ調子に乗って仕切りまくって、他のメンバー的にはウザかったのかも。(謎)

2010/08/30


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