ジェネシス脱退後のフィル・コリンズが放ったソロアルバム第二弾。
ジェネシスから正式に脱退して放った前作のアルバムセールスは下降気味のような印象で、その上聴覚障害により長期のツアーなどができなくなったこともあってちょっと心配されました。でも、ちゃんとディズニー映画『ターザン』の挿入曲をヒットさせたり、スーパーボウルのハーフタイムショウをやったりと、健在ぶりをアピールしてくれました。そして満を持して発表したのがこのアルバム。
バブル期に本家ジェネシス共々大ブレイクした怒濤の勢いはないものの、逆にそういった喧噪を駆け抜けてきたからこその落ち着いた雰囲気が漂う内容となっており、冒頭を飾る極上のポップチューン「WAKE
UP CALL」や、ディープなバラードのタイトル曲等佳曲揃いで、完成度の高さでは絶頂期を上回るのではないかと思うほどです。
ただし、気まぐれなポップの魔法は既に飛んで行ってしまったようで、楽曲のよさや完成度が必ずしもセールスに直結するものではなく、残念ながらかつてのように爆発的に売れた印象は受けませんでした。もしそのせいでジェネシスに最加入する気になったのだとしたら、結果的にありがたいことですが…。(苦笑)
2008/01/01