ザ・ビースツが前作『REVELER』からライヴ活動を停止しスタジオにこもって製作した、8作目にして最高傑作の呼び声高いアルバムです。
従来のソリッドかつタイトなポップさはそのままに、前作から試みている実験的なサウンドを絡めて、摩訶不思議なビースツワールドを繰り広げています。
個々の楽曲に特に関連性はないにも関わらず、たまたま曲数が1曲足りなかったので冒頭のアルバムタイトル曲のアレンジを変えて最後にもう一度収録したコトによって偶然この歴史に残るトータルコンセプトアルバムが完成しちゃいました。
ほとんどの曲がマッキン&ライゴンのコンビ名義ながら、ココへきていよいよ二匹の音楽的な方向性の違いが顕著になってきているものの、なかよしの二匹はお互いのアイデアを昇華させ音楽的実験を繰り返しながらサウンドを熟成させました。また、アレックスがソングライターとしての才能を開花させ、さらに2曲目でドラッケンが拙いヴォーカルを披露しているのもイイ感じのアクセントとなって、アルバム全体がヴァラエティに富んだものになっております。
そして内容もさるコトながら、秀逸なのがこのジャケットデザイン。ただ単にともだちを集めてきて撮った集合写真なんですが、サウンドのごった煮感を見事に表す結果となりました。
つーコトで、全てが結果オーライの奇跡の名盤。
ちなみに初回プレスには意味不明のポッパー軍曹扮装セット(厚紙の付けヒゲや勲章)がオマケとして封入されていました。紙ジャケCDで復刻された際にそのオマケも忠実に再現されたものの、小さ過ぎていよいよ意味不明。(苦笑)
2006/04/01