80年代を代表する男性デュオ、ホール&オーツの大ヒットアルバムです。
ソウルフィーリングが魅力の彼らですが、このアルバムではそういった持ち味を前面に出さず、ストレートかつタイトにキメています。曲によってはニューウェイヴ風のサウンドも取り入れており、それが当時のトッド・ラングレンにも通ずる完成度の高いモダンポップとして成立しています。かつてトッドがプロデュースしたときよりもセルフプロデュースのこのアルバムの方がトッドに近いものを感じるのはおもしろい事実です。
シングルヒットを連発したこのアルバムですが、何と言っても冒頭の表題曲はイントロのタイトなリズムやソリッドなギターの音色からサビの手拍子まですべてがすばらしいデキです。さらに3曲目の名曲「I
CAN'T GO FOR THAT(NO CAN DO)」では無機的なビートに導かれて、そこはかとなく黒っぽいダリル・ホールのヴォーカルが堪能できます。
ただ、こういったデュオにありがちなパターンとして、2人のバランスが微妙ですね。ついダリルにばかり目が行ってしまいます。ワムよりはマシかな?
2003/05/05