『怪奇骨董音楽箱』という邦題が秀逸なジェネシスの3rdアルバムです。ここからスティーヴ・ハケットとフィル・コリンズが参加し、ついに黄金期のメンバーが顔を揃えました。まだまだ本格的なブレイクとは言えないものの、イタリアあたりでは一気に知名度が上がり、多くのフォロワーを生むきっかけとなった名盤です。
まず印象的なのが、ポール・ホワイトヘッドの描く、なんともブラックなジャケットデザイン。シンシア・ジェーンという少女が人間の頭でクロッケーに興じるこのイラストと繋がる内容の1曲目「怪奇のオルゴール」は、ストーリーテラー風の歌い出しからエキセントリックかつアグレッシヴに展開するピーター・ゲイブリエルのヴォーカルスタイルを確立した名曲であり、シアトリカルな初期ジェネシスを象徴する代表曲です。アルバム全体としても、アコースティックな小曲からドラマティックな大曲まで、ジェネシスの持つ様々な可能性を提示した代表作と言えるでしょう。
ところで、この頃の演奏を映像で観るとピーター以外はみんな座って地味に演奏してるんですよね。フィルはドラムだからしょうがないとして、スティーヴやマイクはどうなんだろ?その分パフォーマーとしてのピーターが目立つからあれで良かったのかな。
2003/09/18