ジョン・フォックスのソロ活動の第一期を締めくくる4thアルバムです。
それまでの3枚のソロアルバムはそれぞれあまりにも独自の音世界でありながら、英国内においてそこそこのセールスを上げていました。ところが、ついにジョンがサウンド面でメジャーな路線を目指した途端にまったく売れなかったのは皮肉なことです。本人的にもこの失敗はホントに堪えたようで、現在では「あの頃自分が何をしていたか思い出せない」などとのたまう始末。実際このアルバムの後、10年以上も沈黙しちゃってます。
じゃあそんなにダメなのかと言うと、そんなことはありません。この明るく開放感に満ちた清澄なサウンドにはそれまでに彼が決して見せたことのない爽やかな一面が表れており、タイトル曲や「MORNING
GLORY」などを聴いていると、病的にクールだったり神経質だった時期を乗り越えて安息の地に辿り着いたようなイメージすら受けます。
唯一難点を挙げるなら「楽園のこちら側」という曲の存在。タイトルだけはちゃんとアルバムのコンセプトに合ってるんですが、曲調はほとんどハードロックでアルバム全体の爽快な雰囲気をブチ壊してます。
2005/02/12