HELEN MERRILL / SAME

(1954)

 魅力的なハスキーヴォイスで「ニューヨークのため息」と呼ばれたフィーメイルヴォーカリスト、ヘレン・メリル(vo)の代表作です。
 天才トランペッター、クリフォード・ブラウン(tp)の参加に、彼女自身も一世一代の名唱で応えたという一般的な見解に思わず納得してしまいます。ヘレンの歌声に酔いしれていると、間奏ではブラウニーのソロが出てくるんだから、まったく息つく暇もありません。しっとりとしたバラードにもピンと張りつめた緊張感があります。
 スタンダードの名曲を揃えた選曲も大正解。冒頭の「DON'T EXPLAIN」からラストの「'S WONDERFUL」までホントに完璧な内容です。中でも、日本ではCMに使われた「YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO」は白眉でしょう。
 その上、アレンジは若かりし頃のクインシー・ジョーンズ。

2004/11/01


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