JOHN SIMON / HARMONY FARM

(1995)

 サイモン&ガーファンクルやザ・バンドなど、数々の名盤を手がけたプロデューサー、ジョン・サイモンの4枚目のソロアルバムです。
 プロデューサーのかたわら自らもシンガーソングライターとして70年代初頭に2枚のソロアルバムを出しましたが、その後なぜかパッタリ。ところが20年後に突然3枚目の『OUT ON THE STREET』を発表しソロ活動を再開しました。そこにはこの人の交友関係からたくさんの名うてのミュージシャンが参加し、豪華でありながら非常に和気藹々とした雰囲気が伝わってくる作品に仕上がっていました。
 さらにその3年半後のこのアルバム。今度はうってかわってとてもパーソナルな肌触りとなっています。さぞかし穏やかな人柄なんだろうなと思わせる落ち着いた雰囲気のサウンドはいかにも大人〜って感じ。でも、自らの生み出す音楽を無邪気に楽しんでいるようでもあり、そのあたりがたまらない魅力となっています。
 もう、冒頭の「EVERYBODY THINKS THAT I LEFT TOWN」のイントロのバスーンのフレーズ一発で彼の世界に引き込まれます。それに続く軽快なフルートがまたすばらしい!こういったアレンジから、この人の幅広い音楽的な教養がうかがい知れます。
 なんの繋がりもなさそうなので意外な感じですが、サウンド的にはルイ・フィリップに近いものがあるかな。

2005/12/23


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