ジョン・フォックス主導の第一期ウルトラヴォックスの2ndアルバムです。この頃はバンド名の後にビックリマークがついていました。
このアルバムの性急なビートとハードエッジなギターサウンドを聴くと、つくづくニューウェイヴはパンクから派生したものなんだと痛感します。特にアナログ盤A面にあたる「ROCKWROK」から「DISTANT
SMILE」までは怒濤の勢い。ジョンのヴォーカルも後のクールなキャラとはほど遠い激しさがあります。「ドコがクワイエットマンなんだぁ?」って感じ。(笑)それでもパンクと決定的に違うのは、根底に流れるジョンのアートな感覚があったればこそ。例えば「DISTANT
SMILE」のようなパンキッシュな曲調に、あんなアンビエントなピアノのイントロをムリヤリくっつけてしまうミスマッチさが絶妙です。
一方ヴァラエティに富んだB面も聴き所満載。「ARTIFICIAL LIFE」で、ヘタクソなくせにコテコテに盛り上げるあたりは初期ロキシーミュージックに通じるセンスを感じます。そしてラストを飾る「HIROSHIMA MON AMOUR」。このアルバムで唯一エレクトロニクスを全面に出した名曲で、エレポップの萌芽といった趣です。
プロデューサーはまだゲイトリヴァーブを武器に、売れっ子になる前のスティーヴ・リリィホワイト。
2005/02/05