GENESIS / CALLING ALL STATIONS

(1997)

 ピーター・ゲイブリエル在籍時をはるかに上回る商業的成功を収めたジェネシス黄金期の立役者、フィル・コリンズが脱退し、新ヴォーカリストとしてレイ・ウィルソンが加入した新生ジェネシスの現段階での最新作です。
 元々本家ジェネシスよりも先に単体でブレイクしていたフィルなので、、「ジェネシスにはトニーとマイクがいるから大丈夫。次に抜けるとしたら僕だな」なんて冗談めかした発言を聞くにつけ「おいおい、シャレになってないぞ」と不安を感じていましたが、ついに来るときが来てしまいました。
 ところが、このアルバムがかなりイイ!!まず問題のレイのヴォーカルですが、フィルと言うよりむしろ近年のピーターに近く、霧のかかったようなハスキーな声質で、アルバム全体の重厚なトーンを決定づけている感があります。また、シングルカットされた3曲がそれまでのジェネシスのどの曲にも似ていないのにちゃんとジェネシス節なのは、当然トニーとマイクがいればこそなせる技です。レイの声を得た二人が新境地を開拓したといった趣で、特に「NOT ABOUT US」の翳りを帯びた曲調はフィルの時代には出せなかった味でしょう。
 なのにレイはこのアルバム1枚であっさり脱退してしまいました。ある意味フィルが抜けたときよりショックです。(泣)果たして新作は出るのか?

2002/08/23


BACK