ルネッサンスの4thアルバム『燃ゆる灰』は格調高い傑作です。ヤードバーズ解散後キース・レルフらによって結成されますが一旦解散、メンバーを一新し再出発してから2枚目となります。
私は大仰なシンフォニックロックは苦手なんですが、このルネッサンスに関しては別です。その最大の理由はヴォーカルのアニー・ハズラムの声。彼女のクリスタルヴォイスは、ときにクラシカルに、ときにトラディショナルに展開するルネッサンスの曲調に見事にマッチしています。というか、このアニーの声こそルネッサンスサウンドの核と言っても過言ではありません。
佳曲揃いのこのアルバムの中でも最大の聴きどころはアルバムタイトル曲。このバンドのキャリアの中でも出色のデキと言えるでしょう。ジョン・タウトの美しいピアノの調べに導かれてアニーの声が聞こえてくるともう別世界に突入し、途中アコースティックなパートを挟むなど目まぐるしく展開しながら、後半は気恥ずかしくなるほどの盛り上がりをみせます。最後はウィッシュボーン・アッシュのアンディ・パウエルが参加、泣き泣きのギターソロでとどめを刺します。
ところでよく分からないのはマイケル・ダンフォードの存在です。オリジナルルネッサンスにも関与し、このアルバムでは収録曲のほとんどを手がけているのに、この時点ではまだゲスト参加。次作で正式メンバーとして名を連ねる前から実質的にリーダーシップを発揮していると思うんですが、なんで遠慮してたんだろう?
2003/08/24