波瀾万丈の人生を送った破滅型の天才、アート・ペッパー(as)が当時のマイルス・クインテットのリズムセクションであるレッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)と共演した絶頂期の傑作です。
麻薬がらみの問題から刑務所や療養所を行ったり来たりの生活で、何度も音楽活動を中断してしまった彼ですが、好調なときのプレイは他の追随を許しません。艶やかな音色で縦横無尽に吹きまくる1曲目の「YOU'D
BE SO NICE TO COME HOME TO」を聴いただけで、彼がいかにすばらしいインプロヴァイザーだったかが分かります。
この人がもしちゃんとした人で、活動中断などなければ、こんな名演をもっと残せたかというと、それもまた違うんでしょうね。
2002/05/09