AT車に乗るのは初めてではないのだが、所有するのは初めてなのだ。 家族のクルマやレンタカーでAT車を運転していても、日常の足がMTのロドスタだったので、「発進が楽じゃのう、兄じゃ」くらいしか思わなかった。 でもいざ所有してみて、長期間乗ってみて、現代(韓国のメーカではない)の市販AT車ってのは、基本的に意外に面倒くさいシロモノだと思った。 ネックはAT変速アルゴリズムか。 必要な時に必要なトルクを自由に引き出せないから、運転がギクシャクしたり変になったりするのかな。 マニュアルモードがあるATなら、その点は多少解消されるのだが、このマニュアルモードがまた不便なのである。 マニュアルモードにした場合、アクセラの場合は現在の変速状態はメータ部分に表示される。 ちなみにATレンジの表示もメータ内に表示される。 一見便利なように見えるが、実は非常に不便である。 つまり、今何速か、どこのレンジなのかは、メータ内の表示を見ないと判らない。 MTではシフトレバーを手で触れば、見なくても判る。 アクセラはバック時に「ピーッピーッ」と電子音がなる。最初は「おー、なんか鳴ってる」くらいしか思わなかったが、今ではRレンジに入ったことを知らせる音だと理解した。目で見なくても音で判断させてくれるのだ。 NとDとマニュアル時もレバーを触るだけではよく判らない。 さらに今何速なのかは、表示を見ないとさっぱりだ。 いちいち目視確認を要求されるので、これはかなり面倒である。 まぁ覚えときゃ良いんだけど。 バイクなんて6速もある上に表示すらないが、バイクの場合変速ギア段は問題ではなく現在の回転数の方が重要なので、今何速で走っているかはあまり気にならないためだろう。 WRCやGT選手権、F1なんかも最近は現在の変速段がメータやハンドルに表示されるな、そう言えば。 シフトゲートが直線(多少折れ曲がってはいるが、動きは前後方向)ってのが良くない。P、R、N、D、Mでそれぞれキッチリ止められるような構造が欲しい。特に車庫入れ時はDとRを行ったり来たりするわけだが、Rでロックが無いため勢い余ってPまで行ってしまう事もしばし。 MTの6速Hパターン準拠が理想ではあるが。 R N + N-D-M P - こんな感じで。Mモードはロック付き。入れるときはロックを解除しながらいれて、Dに戻す時はロックスルー。 DからNは上方向のNだけロックなし。左のNからDはロックなし。逆はロック。動きが多いけど、これなら間違えて入れることは少ないと思う。 ロックはレバーを持ち上げる感じで。変速レバーなんて所詮はただの電気スイッチなんだから、出来ないかな。 特にバック時はしっかりとゲートに入れたい。なんせバック時はいちいちメータなんか見ないし、前後左右に気を配る事が多いはずなので、ゲート位置だけで判断したいところ。 それにこの方がATレバー周りがもうちょっとコンパクトにならないかねぇ。 余談ではあるけど、Mモード時はついでだからメータ表示色も変化あるとかして欲しかったな。 どうせ遊ぶなら、とことんまでやって欲しかったの心。 ATレバーももうちょっとストロークは短くても良かったかも。 あんなセンターコンソールがあるんだから、もう少し高さを上げても良いのではないかな。 あとマニュアルモードは、変速時は一瞬アクセルを軽く抜いた方が良い。 2→3→4のばあい、アクセル踏みっぱなしだとガクガクする。 1→2はかなりガクガクする。トルコンあるからアクセルをちょっと抜いたくらいじゃ、過大なエンブレはかからない。 ちなみに1→2をマニュアルで変速すると、ギア表示より遅れて変速するから、変なショックを感じます。 でも発進時はDレンジで、2速に入ってからMモードに入れたほうが、滑らかに加速します。 停車時も、止まる前にDに入れると変速ショックを感じずに済みます。 マニュアルなら、この辺のショックは全部クラッチで吸収させちゃうんだけれど。 加速するにしても、キックダウンでの加速には多少なりとも違和感があり、またアクセルONで即反応というのも乏しい。 それでも、MTの加速時の変速でありがちな、クラッチ操作による瞬間的な減速→加速で同乗者の頭が前後しないのを見るだけでも、ATは同乗者には快適なのかなぁとか思うのだ。 ちなみに高速道路の合流なんかで、2速からDレンジアクセル全開フル加速すると、ちゃんとレッドゾーン付近まで回ってくれるのは、うれしい。 一瞬でもアクセル戻すと3速4速にシフトアップしちゃうけど。 アクセル戻すまで途切れない加速感は、旅客機の離陸加速よりちょっとだけ強い気がします。 |