<デジタルカメラに関する考察> 買わねば買わねば言い続けて早半年。 考えれば考えるほど、デジカメって買いにくいデス。 昨今デジカメも400万画素の時代に入り、各社ともハイメガピクセルのデジカメを続々と販売し始めている。 安価な一眼レフタイプも出始め、デジカメも第2世代に入ってきたと言えるかもしれない。 そこでちょっと今後の買い物計画のためも含めてデジカメを考えて見たいと思う。 まずデジカメを何に使うか、を考えると、大きく分けて2通りだと思う。 1つは普通のカメラと同じ使い方。 いまさら言うまでもなく、コンパクトカメラや一眼レフのように普通に写真を撮って、あとからプリントアウトなり画面で見るなりして楽しむ使い方である。もちろんWebにアップしたり仕事の資料に添付するという使い方もあるだろう。 この場合、画素数は大きい方が良い。情報量は大きい方が取捨選択の幅が広がるからだ。 言い替えればなんにでも使える。画素数が大きい方がプリント時にきれいな絵が得られるし、画面で見るにも細部まで細かく見ることが出来る。Webにアップするにも解像度を落としてやれば、元々同じ解像度の絵よりもきれいな画像となる。 つまり画素数が大きいと汎用性が高い使い方が出来る。普通のカメラと同じように使うならば、画素数は大きめのを選んだほうがベターだろう。 もう一つの使い方はあくまでPCの中だけで使う使い方。 これにはWebにアップする用途も含まれる。要するにプリントアウトを前提にしない使い方だ。 これであれば画素数は多い必要はない。 モニタは72dpiの画素数しか持たないので、せいぜいその解像度で画面いっぱいになれば十分だろう。 Webにアップするならばサーバー容量や回線の太さなんかも絡んでくるので、更に小さな画像とならざるを得ない。 個人的には150万画素もあれば必要十分と思われる。 と、上記2通りの使い方が一般的だろうと思うが、ではデジカメ購入には使用用途による画素数だけで決定していいのだろうか。 画素数が大きければ細部まで細かく写すことが出来る、と思われがちだが、実はレンズの性能もバカには出来ない。 どんなにCCDの性能が高くても、レンズ性能がボケボケなら細部の描写は難しいからだ。 1眼レフカメラのレンズの値段を知っているだろうか。一般に性能が良いとされているレンズは非常に高価であり、たとえば同じ焦点距離のレンズでも性能により値段は数倍も違うことが珍しくない。 CCDに画像が届くまでは光学系の世界だ。しっかりとしたレンズ設計をしていないと、CCD本来の性能を発揮しない。 例えば銀塩カメラで、同じ被写体でも1眼レフとコンパクトカメラでは細部の写りは大きく違う。 これはレンズ性能が大きく関わってくるためだ。安い1眼レフのレンズ1本でもコンパクトカメラが1台買えたりする。 レンズの構成やら材質やらまで言及するとかなり長くて専門的な話になってしまうので割愛するけど、つまり良いレンズ構成であればCCDの価値を十分に発揮できるということだ。 と言うことで「レンズ性能は高いほうが良いモノである」。 でもこれはあんまりカタログにも載らないし、ぱっと視わからないことのほうが多いですね。書いておいてなんだけど。 次に「画素」ですが、当然画素が大きくなればそれだけ1枚のデータ量が大きくなる。 すると、写真の「フイルム」に相当する「記憶媒体」が大きくないとたくさんの写真を撮ることが出来ない。 記憶媒体には「コンパクトフラッシュメモリ」「スマートメディア」「メモリスティック」などがあるが、まだまだ大容量のものは高価なのが実状だ。 これには中程度の容量のメディアを何枚か使う方法で解決も出来るが、ことはメモリの容量だけにとどまらない。 PCやプリンタにデータを転送するにもやはり容量が大きいと時間がかかる。 情報は多いに越したことはないが、多い情報はトラフィックを増大させる。 使用用途がプリントなどであれば、かかる時間をがまんすれば良いしだけだが、Webにアップする程度であればそれほど大きな画像である必要はない。 「画素は大きければ大きいほど良いわけではない」のだ。 まだまだあります。 次はピント性能。まぁこれは普通のコンパクトカメラにも言えますケド。 CCDはフィルムと違いピントの冗長性が少ない。AF性能に対してシビアな要求を突きつけてくる素子です。 フィルムであれば多少のピントの甘さもなんとか吸収してくれるんですが、CCDはカッチリとしたピントでないと、すぐにボケます。 ピント合焦の深さを「被写界深度」と言って、この被写界深度が大きいとピントの合っている範囲が大きくなります。 具体的に言うと、被写体の前後も一緒にピントが合ってしまう、ということです。 コンパクトカメラなんかはレンズを小さくして被写界深度を上げて、多少のピントの合いの悪さを吸収している場合が多いです。 (目が悪いヒトが目を細めるのと同じような原理です。光の回折とかなんかいろんな要素が絡んでるので、詳しくは割愛) デジカメは一般にはオートフォーカスなので、このピントの性能もデジカメの性能を大きく左右します。 でと、次は「液晶」。 デジカメを実際に使ったことのある方ならわかると思いますが、ファインダーを覗きながら撮るよりは、液晶を見ながら撮った方が楽みたいです。 カメラは本来固定して撮るのが理想で、手持ちの場合はカメラを両手で持ち、両脇を締め、ファインダーを覗き、カメラの上部をおでこに付ける「3点支持」が基本です。 眼鏡してるとおでこに付けるのはちょっと無理ですが、それでも脇を締めて撮るのは基本中の基本。ちなみに1眼レフでは「視度調整機構」を設けて眼鏡なしで撮れるようにしているモノもあるほどです。 手持ち撮影は本来ファインダを覗いて撮るのが基本なんですが、どうも見ていると液晶を視ながら撮っているヒトが多いのが現実のようです。 まあ確かに片目でファインダを覗くよりは全然楽だし、ピントの合いも確認出来ますし、悪くないと思います。 と言う訳で、液晶は大きく明るく見やすいものが良い、と言えるでしょう。 最終的にPCに送ったりプリントしたりするとは言え、撮ったその場で確認出来るのがデジカメの利点。大きく明るく発色の良い視やすい液晶は、デジカメ選択の重要なファクタの1つであるのは間違いないハズです。 最後は電池。 デジカメは当然ながら電気で動きます。 この電池の持続時間は地味ながら結構重要で、専用電池なのか市販の乾電池なのか、とか、何時間持つのか、とかはデジカメ選択には欠かせない要素です。 撮影中に電池が切れるとそれでお終いです。 電池の持続時間は長ければ長いほうが良いが、多少短くても市販の乾電池が使えるような設計もしてあればモアベターでしょう。 とまぁ色々とデジカメ購入の要素を書いてきてみたが、これらに加えて「デザイン」や「大きさ」「重量」なども上げられると思う。 自分は元々写真をやっている人間だが、デザインで良い絵が撮れる訳でもないので、別にデザインにはあまりこだわらない。 大きさや重量も、少なくとも1眼レフより重いデジカメは非常に少ないし、画がよいのであれば気にしない。 またあまりに小さいと持ちにくくもなるし、レンズに指を被せてしまうような不注意も起こしやすい。 「画素」なんかも、デジカメはWeb専用だし、そもそもプリントアウトするならフィルムを使う。まだそのほうがきれいな画が安く手にはいる。 そんなわけで、個人的適合デジカメは「画素は150万程度」「レンズが良いもの」「液晶は大きく明るく発色がよい」「電池は長時間持つ。または乾電池」が条件となるんですが…。なかなか無いんですよねぇ。 ちなみに、ハイメガピクセル機が続々出る中で150万とか200万画素程度のデジカメも新機種が出てきてますが、これらは意外に注目です。 CCDの画素数競争が落ち着いた機種は色再現性など他の性能を上げてきている場合があるからです。 画素数が多いのも結構ですが、写真本来の「より良い画を撮る」方向に戻ってきている気がします。 という訳で、「このデジカメがお勧め」などの情報がありましたら、お待ちしてます。 いやマジで。 出来れば接写性能も考慮にいれていただくと、なおうれしいトカ…。 |