グルジアシチーの血統

 友駿ホースクラブの代表馬を歴代並べると、テキサスシチー→ゴールドシチー→プレジデントシチー→クラウンシチー→キョウトシチー→タップダンスシチー、といったところでしょうか。キョウトシチーは募集段階で結構高額設定されていて、初めから結構期待されていたようで、菊花賞にも駒を進めているんですが、むしろ古馬になってからのダート路線での活躍で知られています。東京大賞典が代表的な勝ち星で、浦和記念だの白山大賞典だの地方交流重賞ばかりやたらと勝ちまくったイメージがありますが、ついでにドバイワールドカップまで出走したこともあります。サッカーボーイの産駒らしく、父親に全然似ない鬼っ子タイプのダート専門馬。
 グレシアンライコーは宇都宮で23勝(足利にはほとんど出走もしていない)し、長い間A級で活躍した馬。栃木県のA級が最もハイレベルだった時期なので、当時の一流馬には歯が立ちませんでしたが、それでもイヴニングスキーを破ったり、相手が勝手にずっこけたレースとは言えブライアンズロマンにも先着したこともあります。小気味よい先行力が武器で、逃げてはブライアンズロマンやイヴニングスキーにあっさり捕まる、というのを何回も実際に現場で見たことがあります。血統的には、ゲイメセン(ハイペリオン系)、ダイアトム(シカンブル系)、レベルコ(テディ系)と何とも渋い傍流がかかり続けています。祖母ミサノパシフィックの一つ上の兄が関屋記念を勝ったブラビオー(大失敗ケンタッキーダービー馬カウアイキングのまだマシな部類の代表産駒)、二つ下の妹が6勝したエースパシフィック。
 キョウトシチーにゲイメセン肌、というと、今や珍しいゲインズボロー系のラインブリード、ということになります。かつては大種牡馬トウルヌソルを日本に送り込んでくれ、さらにハイペリオンを通じて数多くの名馬を出したゲインズボロー系も最早日本では絶滅寸前、主流のハイペリオン系が先に壊滅して、ファイントップ系のサッカーボーイのラインが辛うじて生き残っているだけ、という惨状ですが、今までも幾度となく繰り返されて来たこのような醜態が、結局現在の日本のサラブレッド生産の脆弱性をもたらしている、と言えるでしょう。近いうちにサンデーサイレンスの血の飽和、という形でとどめが刺されるのは間違いない、トホホ…。

グルジアシチーに戻る
持ち馬一覧に戻る
takachan@fureai.or.jp (Saito Takayuki)