ブラストシチーの血統

 「奇跡の追い込み・19年ぶりの三冠馬」ミスターシービーと「史上最強の短距離馬」ニホンピロウイナーが同い年ということを、データとしての知識ではなく現実問題として肌で覚えている人間は、そろそろ年寄りの部類になるのでしょうか。クラシック三冠こそ全部ミスターシービーが持っていきましたが、この世代は(1つ下にシンボリルドルフがいたので低評価されやすかったのですが)実は強い馬が多く、現にシンボリルドルフを負かした2頭の日本馬もこの世代に属しています(カツラギエース、ギャロップダイナ)。同い年でしかも両方とも超一流馬であったにもかかわらず、ニホンピロウイナーとミスターシービーの直接対決は実は一度だけでして、その皐月賞の時はミスターシービーが勝ったのに対し、ニホンピロウイナーは馬場と距離に負けてどん尻だったのでした。その後全く接点がなかったのも珍しいかも。
 で、ブラストシチーはその2頭を先祖に持っている訳で、そのイメージからいけば1600m級のレースが一番良さそうな雰囲気ですが、ミスターシービー産駒は意外に距離の融通が効くところもあるので、ニホンピロウイナー産駒と言っても短距離専門という訳でもないでしょう。
 祖母ギャラントミシーがアメリカからの輸入馬ですが、その2頭の祖父はボールドルーラーとギャラントマン。これは、1957年の米国クラシック戦線で、ラウンドテーブルとともに伝説的な三強を形成した超強力ライバル同士。これまた遺恨めいた配合の部分が出て来ています。
 こんな血統背景があるのですから、いいライバルに恵まれた競走生活が送れると面白いんですが…。


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takachan@fureai.or.jp (Saito Takayuki)