平成12年の優勝

平成12年の持ち馬を振り返る

　平成12年のラインアップからは、17頭が出走して3頭が3勝をマークしました。勝ち数だけなら前年と同じですが、総出走回数は100回を超えているので、さらに成績は下降したと言えます。
　もともとあまり期待できそうにないメンバーでのスタートでしたが、年明け早々、長年活躍してきたサンキングシチーが屈腱炎のため引退するという事態。一応クラシック路線を目指していた4歳馬のキャロルシチーも、時々好走する程度で挫折、年後半は戦線離脱となってしまいました。4歳馬はデビューが遅れる馬が相次ぎ、年前半はかなりの苦戦となりました。
　こうした中で頑張っていたのが5歳馬のグラシアスシチーで、勝ち味に遅いながらも3着や4着の山を重ねて一人気を吐きました。今季初勝利は6月、福島でウイニングシチーが平場戦を逃げ切ったもの。前年もこの馬が6月に福島で勝ったのが初勝利でしたから、なんとも似たような巡り合わせとなりました。ウイニングシチーは、同じ5歳雌馬のグラシアスシチーとは正反対に、勝つか大敗かのムラな部分があり、堅実に賞金稼ぎという訳にはいかないようです。
　夏シーズンになると、出遅れていた4歳馬がぼつぼつデビューにこぎ着けましたが、ほとんどの馬が無残な大敗を繰り返すばかり。結局北海道シリーズで入着を続けるグラシアスシチー頼りの状況が続いてしまいました。
　前年は10月第1週に狂い咲きがありましたが、昨年も同じように突然勝ち星が連続して転がり込んできました。9月最終週、中山戦でリザルトシチーが最後方から直線一気の追い込みを決めて、1年9ヶ月ぶりの勝利をマークしました。たまにはまって2着、ということはあったものの、大抵は末脚不発の繰り返しだっただけにいささかびっくり。一発があるのは飛び道具を持っている馬、ということが改めて判る次第でした。その翌週には東京戦でデビューしたオリエンタルシチーが中団から差し切って初陣を飾りました。オリエンタルシチーは父ミホノブルボン、母の父ホスピタリテイという、特別に強かった名馬の血を引いています。あっという間の2週連続優勝でしたが、この後勝機がなかったことも含め、全く前年のパターンをたどっただけだったのは単なる偶然なのでしょうか。
　結局は5歳勢に頼ることになった12年でした。5歳の3頭は全て10戦以上に使われ、勝ち星を挙げたウイニングシチーとリザルトシチー、3着と4着がそれぞれ6回づつと超堅実に入着を続けたグラシアスシチーと、うまく個性分けもできていました。
　4歳馬は、数はたくさんいたものの成績は無残極まりなく、唯一ダイナミックシチーのみが、福島の未勝利戦で適性をつかんで上位入着を果たした程度（これだけは抹消されたのが惜しかった）でした。アンクレットシチーとオセアニアシチーは走ったレース全てが2ケタ着順、最下位やタイムオーバーをひたすら積み重ねました。アルバシチーはインパクトがなく、サンライトシチーは出遅れ常習。ケイオーシチーやスターシーカーは調整が順調にいかずに出走機会が少なく、シャンドールシチーは1戦のみでリタイア。血統的に密かに期待していたサイクロンシチーは胃が悪くて（ストレスか？）出走に到らず、ゲットオンシチーは入厩すらできませんでした。
　3歳馬では、関西馬スタイルザモナークが、素質的に期待が持てそうな感じです。オリエンタルシチーと同じレースでデビューしたアラモアナシチーは、オリエンタルと反対にタイムオーバーどん尻負けのスタート。レックスシチーはデビュー戦でいきなり出走取消という波乱の船出となりました。
　平成13年の当初は、900万下がリザルトシチー、500万下にウイニングシチー、グラシアスシチー、キャロルシチー、（新表記の）3歳500万下にオリエンタルシチー、同未勝利にアラモアナシチー、スタイルザモナーク、レックスシチーという陣容。（新表記の）4歳以上馬4頭が全部放牧で戦線離脱中のため、（新表記の）3歳馬に頼ることになります。オリエンタルシチーとスタイルザモナークはソコソコやれそうだし、まだデビューしてない組では、ガーランドスタイルとルミネシチーに期待しているのですが…。