夜明けのスキャット
作詩 山上 路夫  作曲 いずみたく  編曲 青島 広志

<青島先生の解説>
 おとなのムードの歌い手、由紀さおりのヒット曲です。それにしても何と短い詩なのでしょうか。
旋律もほとんどひとつの流れでできているだけです。ここではそれを「コラールとフーガ」に
編曲してみました。とくにフーガは伝統的な書法を守っていて、かなり難しいので、他のポリ
フォニー音楽を歌うときに、よい参考になるでしょう。テーマと対唱(コントラ・スジェ)を明確に
出すことと、後半を激しくたたみかけていくことなど、指揮者と合唱団の技術の見せどころです。
Hのピアノ・パートの左手に、R.シュトラウスの「ナクソス島のアイアドネ」の断片がチラッと
顔を出しますが、意図してのことです。
コラールはフーガに対して静かに、しかし宇宙的な拡がりを持って歌うように。
 フィナーレにふさわしい曲ですし、コンクールの自由曲にもとり上げてしかるべき曲でしょう。

ルルル・・・・・・・・・・・・・・
愛し合うその時に この世はとまるの
時のない世界に 二人は行くのよ
夜はながれず 星も消えない
愛の唄ひびくだけ
愛し合う二人の 時計はとまるのよ
時計はとまるのよ