東京混声合唱団愛唱曲集「島唄」より
世界の約束
作詞 谷川 俊太郎  作曲 木村 弓  編曲 若林 千春

涙の奥にゆらぐほほえみは
時の始めからの世界の約束

いまは一人でも二人の昨日から
今日は生まれきらめく
初めて会った日のように

思い出のうちにあなたはいない
そよかぜとなって頬に触れてくる

木漏れ日の午後の別れのあとも
決して終わらない世界の約束

いまは一人でも明日は限りない
あなたが教えてくれた夜にひそむやさしさ

思い出のうちにあなたはいない
せせらぎの歌にこの空の色に
花の香りにいつまでも生きて

<編曲の若林千春先生の解説>
 2004年に制作された宮崎駿監督のアニメ作品「ハウルの動く城」の主題歌です。
 シンプルなメロディーにのって、すさまじいほどに残酷な歌詞が、死者達の言葉で、
 しかもこの上なくやさしくやわらかく歌われます。 
  私には、この世への愛はこの世へのレクイエムなのだ・・・とこのごろ思えてなり
 ません。
  涙も笑いも、喜びも悲しみも、絶対零度とでもいうべき”彼岸”の眼差しの前では、
 この世の果てに鳴り響く鐘の音のように、浄化された不思議な微笑となってたちあら
 われてくるのでしょうか。”宿命的なさまざまなことがらへの、微笑みのあり方”が、
 歌われています。