砂 丘
作詩 園田 恵子 作曲 荻久保 和明
この曲はT.Z.さんのリクエストにより作りました。彼が大好きな曲だけに
彼の理想とする表現に近づけてみました。
<荻久保和明先生のこの曲に対するコメント>
NHK全国学校音楽コンクールの中学校の部、課題曲として作曲され
た。演奏時間の都合上省略されたものではない、これがこの曲の
オリジナルである。混声三部版を尊重した、部分混声四部の編曲な
ので、このまま中学生が歌っても良いだろう。一発で覚えられる美しい
メロディーとハーモニー。中間部に対位法的な喜びとセンス、このまま
ピアノ曲になり得るピアノ伴奏を記し、クライマックスをユニゾンで。
極めて美しいユニゾンを要求している。
ひとつの砂山を越えて
ふたつの砂山を越えて
振り返る
足跡は砂にうずもれ
ここにあるのはわたしだけ
砂丘の上で
とどめるすべもなく
さらさらと砂は流れる
みっつの砂山を越えて
よっつの砂山を越えて
想うのは
人を愛し 自分を愛し
すべてに愛を見つけたか
砂丘の丘に
あまりにも惜しげなく
さらさらと時を見送る
いつつの砂山を越えて
むっつの砂山を越えて
振り返る
この手のなかに
ひとつぶの砂があるか
ひとにぎりの砂があるか
あふれる砂があるか
ひとはみな
大切なものに気づかないで
さらさらと時を流す