たき火
作詞 巽 聖歌  作曲 渡辺 茂

 昭和16年の9月のある日、渡辺茂宅にNHKから一通の封書が届いた。”12月の幼児の
歌のおけいこに使いたいから、同封の詞に曲付けされたし”という内容で、同封の詞が、この
「たきび」だった。あのいまわしい太平洋戦争勃発の翌日と翌々日の2日間、放送された。
放送するや否や、”たきびは敵機の攻撃目標になるし、落葉も貴重な資源で風呂ぐらい
たけるから、たきびとはもったいない!”と軍当局からお叱りがあって、3日間放送予定の
ところ、3日目は放送中止になり、戦時番組に切り替えられた。
           (日本抒情歌全集1の解説より)

1.垣根の 垣根の
      まがりかど
  たきびだ たきびだ
      おちばたき
  あたろうか 
      あたろうよ
  北風 ぴいぷう
      吹いている

2.さざんか さざんか
      咲いた道
  たきびだ たきびだ
      おちばたき
  あたろうか
      あたろうよ
  しもやけ おててが
      もうかゆい

3.こがらし こがらし
      寒い道
  たきびだ たきびだ
      おちばたき
  あたろうか
      あたろうよ
  相談しながら
      歩いてく