花 の 街
作詞 江間 章子  作曲 團 伊玖磨

 昭和22年の東京は空襲の残骸と戦後の混乱で、瓦礫と闇市に埃が濛々としていた。
江間章子はNHK「婦人の時間」の委嘱で”今に東京にも花咲く街になってほしい”という、
夢と希望を託して、この詞を書き上げた。
”荒れ果てた当時の日本を見ていた私は、私の心に抱いていた幻の理想の街、神戸を
頭に思い浮かべて書いた。神戸へは行ったことはなかったが、乙女心に神戸というエキ
ゾチックな街に憧れていたのですよ”と述懐している。
                                   (日本抒情歌全集1の解説より)

1.七色の谷を越えて
  流れて行く 風のリボン
  輪になって 輪になって
  かけて行ったよ
  春よ春よと
  かけて行ったよ

2.美しい海を見たよ
  あふれていた 花の街よ
  輪になって 輪になって
  踊っていたよ
  春よ春よと
  踊っていたよ

3.すみれ色してた窓で
  泣いていたよ 街の角で
  輪になって 輪になって
  春の夕暮れ
  一人さびしく
  泣いていたよ