ふじの山
作詞 巖谷 小波  作曲 不 詳

 これほど気宇壮大、富士そのものをずばり讃美して歌いあげるのは容易な
わざでばない。言い換えれば明治人でなければ書けない、おおらかさを持った
歌詞だ。一番の「雷さまを下に聞く・・・・」という表現に小学生時代の私は大変
興味を抱いたものだった。賀茂真淵の有名な長唄の反歌「駿河なる富士の高嶺
は雷の、音する雲の上にこそ見れ・・・・・」によったものであろう。
”ファ”も”シ”も使っている七音長音階で作曲されていながら、どことなく日本的な
風雅をしみじみ感じさせる名曲である。

                   (日本抒情歌全集1の解説より)

1.あたまを雲の 上に出し
  四方の山を 見おろして
  かみなりさまを 下に聞く
  富士は 日本一の山

2.青空高く そびえ立ち
  からだに雪の 着物着て
  霞のすそを 遠くひく
  富士は 日本一の山