川崎洋の詩による五つの女声合唱曲
やさしい魚から

作詩 川崎 洋  作曲 新実 徳英

ジョギングの唄

おれは常套句を愛する
すなわち
(自分の歩幅で)
というやつだ
および腰の知性なぞ
古い運動靴のように打ち捨てて
わっしょい

人は
よりよい明日をつくり得る

意地でも思いこんで
わっしょい

心臓から押し出された血が
ふたたび心臓にもどるのに
18秒しか かからぬそうな
寸刻ごとに
新しいのだぞおれは
わっしょい

おれの生き方は
こうなのだ
こうなのだ
こうなのだ
と確かめながら
いとしい地球を踏んで行くのだ

わっしょい