ホームソングメドレ−2

     カワイ出版 「混声合唱のためのホームソングメドレー2」よ

     早春賦

     作詞 吉丸 一昌  作曲 中田  章  編曲 源田 俊一郎

     春は名のみの 風の寒さや
     谷の鶯 歌は思えど
     時にあらずと 声も立てず
     時にあらずと 声も立てず

     氷解け去り 葦は角ぐむ
     さては時ぞと 思うあやにく
     今日もきのうも 雪の空
     今日もきのうも 雪の空

     赤とんぼ

     作詞 三木 露風  作曲 山田 耕筰  編曲 源田 俊一郎
     
     夕焼けこやけの
     赤とんぼ
     負われてみたのは
     いつの日か

     山の畑の
     桑の実を
     小篭に摘んだは
     幻か

     十五で姐やは
     嫁にゆき
     お里の便りも
     絶えはてた

     夕焼けこやけの
     赤とんぼ
     止まっているよ
     竿の先


     椰子の実

     作詞 島崎 藤村  作曲 大中 寅二  編曲 源田 俊一郎         

     名も知らぬ 遠き島より
     流れ寄る 椰子の実一つ

     故郷の岸を離れて
     汝はそも波に幾月

     旧の樹は 生いや茂れる
     枝はなお 影をや成せる

     われもまた渚を枕
     孤身の浮き寝の旅ぞ

     実をとりて 胸にあつれば
     新たなり 流離の憂い

     海の日の沈むを見れば
     激(たぎ)り落つ 異郷の涙

     思いやる八重の汐々
     いずれの日にか 国に帰らん