初  恋
作詩 石川 啄木  作曲 越谷 達之助  編曲 青島 広志

この曲は私にとって記念すべき思い出深い曲です。高校へ入学し、選択した音楽の最初の時間に校歌と共に配られた楽譜です。「へえ 先生が自分で作曲したんだ」と軽く受け止めていたのですが、時が経つにつれて有名な日本の歌曲の一つであることがわかりました。
この曲と越谷先生との出会いが、私を合唱好きにしてくれたのです。今の天皇皇后両陛下ご成婚の年のことでした。
最近松下耕先生のブログにコメントを書き込んだところ、松下先生が青島先生の編曲でこの曲を何回も演奏したと回答を下さり、早速青島先生の編曲された楽譜を購入しMIDIを作りました。
沢山の声楽家がレパートリーの一つにしていたり、声楽を勉強している方々が大体この曲を練習されたり、合唱団の仲間で声楽を勉強している先輩達が時々この曲を歌ってくださるのは大変うれしいことです。
このHPに男声版もありますが、女声版はまだありません。
                      (2007年5月28日 tuusic)


<編曲の青島広志先生のコメント>
作曲家・越谷達之助を、他のジャンルの芸術家にたとえるなら、画家では竹久夢二や、中原淳一、詩人の清水かつら、ということになるでしょうか。実生活はいざ知らず、作品の上ではいずれも「たをやめぶり」を発揮しています。この曲は、発表直後から、リリックなソプラノやテノールに愛唱されてきました。編曲に当たっても、その習慣を捨てきることはむずかしく、二人のソリストにゆだねました。しかし、合唱は、その旋律の土台となる和声をしっかり保持しますので、決してバック・コーラスではないのです。ピアノパートは、原曲どおりですが、"C"直前の終止和音の配置などは、通常の開離位置に直していただいて結構です。
                     (青島広志 混声合唱のための編曲集 日本のうた2より)

砂山の砂に腹這ひ
初恋の
いたみを遠く思ひ出づる日