男声合唱組曲
よこはま
作詩 武鹿 悦子  作曲 田頭 喜久彌

5.ガス灯

ガスの灯影(ほかげ)のいじらしい
昔の恋も消え失せた
はずかしがりやで控えめな
昔の娘も消え失せた
明治の夜をまたたいた
やさしいあかりも消え失せた

明治のあかりは消えたまま
明治のひとも消えるまま
水銀灯のまばゆさよ
現代人のまばゆさよ

明治の形見はただ一基
埃にまみれ 街かどで
むなしく夕陽を映してる
夕陽の香りを抱いている

ガス灯
ガス灯
ほのぼのと
追憶の夜を照らしだせ