児童(女声)のための合唱組曲
虫の絵本
作詩 まど・みちお 作曲 吉岡 弘行
3.ガガンボ
ゆうがたの だいどころに
まよいこんだ ガガンボが ガガンボとは
あちらに ぶつかり ハエ目ガガンボ科の昆虫。種類が多い。
こちらに ぶつかり カに似るがはるかに大きく血を吸わない。
そちらに ぶつかり 脚は長くもげ易い。
ここは ろうやか 幼虫は多く泥の中にすむ。
あくまの すみかか カノウバ。カノオバ。カトンボ。夏の季語。
いきが できない
めが みえない
こんなに ひどい せかいが
このよに あってなるものか
これは ゆめだ
わるい ゆめだ
さっきまでの
やさしい ちきゅうは
どこだ どこだ どこなのだと
大げさな てあしごと
かべに ぶっつけ
なべに ぶっつけ
やかんに ぶっつけ
てんじょうに ぶっつけ
すすだらけの きずだらけの
こぶこぶだらけで
ガガン ボボン
ガガン ボボン