今日のオーストラリアの日刊紙”The Australian"によると、昨年度(2005年7月ー2006年6月)の出生率は出産奨励金の増額により上昇しているとしています。 出産奨励金は2004年7月に導入され、3,000ドル(約27万円)でしたが、今年7月に4000ドル(約36万円)まで増加しています。この増額に加えて最近の低金利、低い失業率で出生率が増加しているそうです。 昨年度は、268,667組の両親が新生児出産でこの出産手当て申請した由で、前年より10,000件の増加になっています。 オーストラリアの昨年の出生率は女性一人につき1.8で前年の1.72から増加しており、多くの他の先進国で1.2〜1.4の率よりかなり多い数字です。 オーストラリアの人口は現在約2,000万人で、日本の7分の1、台湾とほぼ同じです。人口増加率は1990年代初めの頃から1.2-1.3%で推移しており、そのうち半分強は自然増によるもの、半分弱は移民によるものです。 オーストラリアは国力のとなる人口増加の為に、移民も比較的多く受け入れておりますが、出来ることであれば出生率増加の自然増によるものに越したことはなく、それが出産奨励金の導入や増額に繋がっていると思われます。 移民の種類としては 移民の比率が多いことまたその出身国が多岐に亘っており、出身国に差別をしていないことなどからオーストラリアは多文化国家とされています。 ただ、歴史的にもやはり英国を母国語とするイングランド、スコットランド、アイルランドからの移民が多く、昨日ハワード首相がラジオで言っていましたが、「オーストラリアに移民する人たちは英語が理解できてオーストラリアの文化も理解した上でオーストラリアに来るべきである。また、移民の条件として英語の試験を課すべきである」と述べていました。 ハワード首相はどうもオーストラリアでは英国を中心としたヨーロッパ社会の伝統や西洋文明が基礎にあるオーストラリア文化を維持したい考えのようです。 |