最近の話題(2005年2月22日)

こちらの最近の話題を下記紹介します。

●オーストラリアのイラク派兵増加決定
日本でも報道されているようですが、オーストラリアが新たに450人の兵隊をイ
ラクに派遣することがこちらのラジオや新聞で報じられていました。サマワに駐
在する日本の自衛隊の護衛を主目的にするとのことでハワード豪首相には金曜日
に小泉首相から更に月曜日にイギリスのブレアー首相からも夫々電話で要請があ
ったとのことです。

こちらの野党は前回の総選挙の際には「これ以上イラク向けの増兵はしないと公
約していたのに公約違反である」とか「増兵するよりむしろ撤兵すべきである」
などと言っています。

この派兵増に伴うコストは3億ドル(約240億円)と見込まれている由で、国民も
面白くは無いと思います。ハワード首相は今回の決定は同盟国にとっても大切な
ことであるし、日本はオーストラリアにとってもアジア大洋州地域における重要
なパートナーなので両国の関係維持も考慮されるべきと説明しています。

こちらの新聞には「公約違反で国民も面白くないが、イギリスと日本から頼まれれば嫌とも言えずハワード首相も苦渋の選択をせざるを得なかった。」と言うような論調も見られました。

一方、「第二次大戦でビルマやシンガポールにおける日本軍の豪州兵捕虜に対
する酷い扱いに対し、今度は豪州兵が日本軍を守ってやる役回りになっている」
と前の戦争は昔の事とも言いながらも皮肉的に書かれている記事も有りました。

尤も第一次大戦の際に日本海軍はオーストラリア軍のガリポリ遠征を護衛した
とのことで、日本軍が悪かったことばかりでもないし、第2次大戦も60年も前の
事である今はまた違うと言うような事も報じられていました。

テレビのニュースで国民に対するインタビューでは「日本はオーストラリア重
要なの貿易相手国なので協力するのは仕方が無い。」と答えている人も居
ました。

反対している人たちも「日本の護衛の為の増兵だから悪い」と言うことより「公
約違反」とか「そもそもイラクへの派兵はイラクの内戦に加担しているから悪い
」とか「更に国民を危険にさらす」とか「税金が更に無駄に使われるので悪い」
という理由からが多いように感じられます。

新聞やテレビのニュースを見ての感触ですが、オーストラリアの世論は今回の
増兵は賛否50/50%と言うところではないかと思われます。

●チャールズ皇太子訪豪
2月28日から英国のチャールズ英皇太子が豪州を訪問するそうです。この訪問は
豪州が特に招待したものではないのですが、その費用は慣習によりオーストラ
リアが持つことになっているそうです。費用総額は100万豪ドル(約8300万円)
とのことですが、英国王室が持つべきだと言う声もあるそうです。

オーストラリアの元首は英国女王ですが、英国以外からの移民も増えている現
在、国民のなかにはもはや英国の王制のもとである必要は無いという人も増え
ています。それでも1999年に王制維持か共和制にするかの国民投票では王制維
持が勝っています。

王室と言えばデンマークの王子にオーストラリア人の女性が昨年嫁ぎましたが、
その王子が現在ヨットの大会かなにかでこちらに来ています。プリンセスは来
週来るそうです。こちらでも王室の話題は女性に人気があるようです。

●散水の制限緩和
オーストラリアは降雨量が少なく大陸の中央部は殆ど砂漠のような状態です。
此処メルボルンは年間平均降雨量が600-700mmですが、年間平均1800mmの日本と
は比べものになりません。そのため旱魃気味の年には散水制限を含む水道水の使
用制限があります。昨年は降雨量が少なかった為に水道水の使用制限がありまし
た。

しかし最近は比較的雨が多く貯水池の水量も回復してきたので3月から使用制限
の緩和を発表しました。

緩和される内容主なものは次のようなことです。
・スプリンクラーやホースでやる芝生の散水は午後8時から午前10時まで可能に
なった。(これまでより8時間多い)
・芝生への自動散水は午後10時から午前10時まで(これまでより5時間多い)
・散水用のホースは先端に開閉散水ノズルをつけること。また、自動散水装置
には表土水分センサーをつけること。
・2000リットルを超える新しいプールやスパを使用の場合は水の節約計画を提出
のこと。

なお、メルボルンの貯水池(いくつか複数ありますが)の現在の貯水量は貯水能
力の59.3%だそうです。

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