貿易・国際ビジネス通信(98年7月1日)
6月に入って、オンラインのニュースレターを始めて今日第3号を配送した。創刊準備号も入れると実質第4号なのだが、何とか10日に一回の発行を心がけている。内容は貿易マニュアルの解説が中心である。編集後記や前書きにその時々に感じたことを入れている。創刊号から第3号までに書き入れたことを下に転記しました。
第3号(98年7月1日)
今日は為替が若干円高に戻り、ほっとしております。破綻した銀行の債権・債務
を一部引き継ぐという「受け皿銀行」の構想が政府・自民党内で固まってきたと
いうのが、その背景にある模様です。このまま一気に円高に転じると言うことは
無いかも知れませんが、底入れの兆しが出て来たということは、歓迎されます。
景気自体はいっこうに明るい兆しは見えませんが、海外からの不良債権の買い取
りとか、企業の買収など資産購入も増えているようです。購入価格自体がかなり
の安値の模様で、それに加えて円安によりドル建てではかなりの低いコストの買
いものになっていると思います。2,3年後に資産価値も回復し、円高に戻って
いる様にれば(そうなると思いますが)、良い買い物になっていると思います。
メリルリンチ日本証券の第1号店が長野市に本日オープンしたということです。
金融業界における外国企業の日本進出はこれからどんどん進むと思います。それ
につれてこの業界で働く人たちの雇用の流動化も進むことでしょうし、経営者の
意識の変化も否応なく進まざるを得なくなると思います。色んな分野でグローバ
ル化が進むことはよいことだと思います。
第2号(98年6月21日)
前回は為替レートに関する解説でしたが、先週は外国為替レートは145円から
135円へと10円もの大きな動きがありました。私の場合は輸入が主体ですの
でこの円の戻りで多少ほっとしました。でも輸出が多い人や外貨建ての預金をし
ている方達は反対ですね。
日本の株や債券を保有している外国人は円安より円高に動いた方が、ドル表示の
資産がそれだけ増大するので良いのかも知れません。でも、日本のこの経済環境
のもとでは、株や債券自体の価格が値上がりを見込めないので、日本株などに対
する投資にはあまり魅力を感じていないことと思います。日本経済が回復の兆し
を見せれば外国資金も日本に再び入ったり、日本の機関投資家の資金も海外投資
から日本に還流する事と思います。それが円高にも繋がるものと思います。
創刊号(98年6月11日)
これまで為替レートの予測を聞かれることがあったり、自分でもこの先どうなる
かと考える事が有るのですが、その予測は、ともすれば自分の希望的観測が入り
がちです。自分は輸入の方が多いので、どうしても円高を歓迎してしまいます。
今まで何度かこの辺が円の底値だと思ったことが有りました。しかし結果はそう
では無くなっています。為替予測は自分の主観が入りがちです。私は「予測出来
ない」とするのが一番良いと思います。
一部のアナリストは円安は170円までいくとか、それを根拠に外貨建ての投資
信託などを勧める証券会社も有ります。(円安が進めば外貨預金や外国債券の購
入は為替差益を得られることになります。)しかし、「アナリストの言うことの
逆張りをすれば間違いない」というような人もおります。私は「為替相場の先行
きは判らない」と自分に言い聞かせています。