パソコンのファイルを整理していたら次のような文章があった。

これは数年前にジェトロの「輸入ビジネスアドバイザー」(現在は「貿易アドバイザー」と呼称が変わっている)の認定を貰うときに提出した小論文の原稿である。字数に制限がありその制限内にまとめるのに苦労した記憶がある。

 

輸入ビジネスを進める上での海外取引相手との取引交渉の方法について

 

 交渉の手段としてはレター、ファックス、テレックス、電子メール、電話、面談がある。これらはケースバイケースで使い分け相互補完させて効果的に使うべきである。

 

 口頭による了解事項は文書により確認しておくことが必要である。海外との交渉では文化や習慣が違うので誤解や思いこみが生じやすい。細かいことまで逐一確認することが肝心。

 

 輸入する商品が決まったら輸出先を探すことから始める。ジェトロ、在日外国大使館、海外の商工会議所へ問い合わせたり、海外の業者名簿や業界紙、出版物で探したり、内外の見本市に参加して輸出先を探す。これらの方法で探した会社に何を輸入したいか記載した引合い書を、出来ればこちらの希望条件を添えて自社の紹介と共に送付する。

 

 価格、品質規格、最低発注(船積み)数量、納期、決済条件等の条件を入手し必要に応じて見本を要求し、条件が合えば次は発注と言うことになる。発注に先立って相手先の信用調査を行うことも必要。

 

 発注に当たっては売り手から提示された条件(オファー)が受け入れられればそのまま受けて(アクセプタンス)発注する。売り手の条件が受け入れられない場合はこちら側が希望する条件を提示(カウンター・オファー)して受けて貰うように交渉する。カウンター・オファーを受けて貰うためには、理由や背景の説明等売り手に共感を与えるような十分なる説得材料が必要である。

 

 こうして契約が成立すると契約書を取り交わす。契約書の表面には「表面条項」として商品名、規格、品質、数量、価格及び価格条件、船積み期、品質条件、数量条件、決済条件等を記載、その他の細かい取引一般条件は契約書の「裏面条項」で規定する。契約金額が大きい場合や継続的な取引が見込まれる場合は「裏面条項」記載の一般取引条件の交渉も平行して行うことが望ましい。