eye to eyes

-Page-28-

-Lodge- Bairin

夕べお世話になったロッジです。よーく見ると看板がありました。僕が泊まったのは二階の左側の部屋です。電気の供給が悪いのか? もう、寝ると言って部屋に上がろうとするとアルコールランプを渡された。二階には電気は無く、ランプの宿だった。壁と言うよりスノコって感じで覗けば隣が丸見えの部屋でランプの灯を頼りに手紙を一枚書き寝についた。


-峠の茶屋- ???

コビタの所を後にするといきなりの急勾配が見えた。多分今日中にはカトマンドゥに着くだろうと確信していたがかなりキツイ坂道で殆ど押して上がって行く状態で距離が稼げない。昼も過ぎ段々雲域が怪しくなってきた。案の定雨が降ってきた。かなり激しい。軒のある茶屋に飛び込み雨宿りをした、チャーイを頼んで小一時間で雨は上がり夕日がさした。言葉はあまり交わさなかったが目図らしそうにこちらを見ていた子供達、彼等もまた、雨上がりの夕日を眩しそうに眺めていた。

雨とチャーイのお陰で元気がでた。その後一時間ほんどで展望台のような所にでた。どうやら昇りは終わりらしい。日も落ちかけていたので急ぐ。雨でグチャグチャになった道路を下り、だんだん街らしくなってきた。バスが走り、人が増え家並がどんどん綺麗になって行く。橋を一つ渡り、人並みになんとなく逆らい細い路を上がって行くと不意に広場に出た。自転車を降りゆっくりと辺りを見渡してみる。そこは「地球の歩き方」で何度もみて、今回の旅の最終目的地と心に刻んだその場所。ダルバール広場であった。雨が幾らか降っていて、日も沈み、辺りは青く染まっていた。甘い香の匂いが漂う中、人々が往来し、露店はかたずけを始めている。広場には街灯がともり、仏塔の至る所でロウソクの火が雨と香の煙りにゆらいでいる。涙が出た訳ではない。雨のせいだろう。始めて見たダルバール広場の印象は物重たくどことなく寂し気にゆれるモノトーンの世界であった。


BACK Page Link NEXT
E-Mail takabe@fureai.or.jp

 N,TAKABE