GENESIS / THE WAY WE WALK
VOLUME TWO : THE LONGS

(1993)

 『ザ・シングル・ヒッツ・コレクション:ライヴ前編』に続いて出たライヴによる集大成企画のヴォリューム2、『もうひとつのジェネシス:ライヴ後編』です。
 前編の原題のサブタイトルが『THE SHORTS』だったのに対して、こちらは『THE LONGS』となっていることから分かるように、「DOMINO」や「HOME BY THE SEA」といった後期ジェネシスを代表する長尺ナンバーを中心とした内容となっており、聴きごたえたっぷり。そんな中でハイライトは冒頭に収録された「OLD MEDLEY」でしょう。題名の通り昔の曲を次々と20分に渡って繰り出してきます。マイク・ラザフォードがリッケンバッカーで「DANCE ON A VOLCANO」のイントロのアルペジオを弾いた瞬間からそこはもうめくるめくジェネシスワールド。そこから「幻惑のブロードウェイ」〜「怪奇のオルゴール」、そして「FIRTH OF FIFTH」のインストゥルメンタルパートへとなだれ込む展開は圧巻。白眉は当然「FIRTH OF FIFTH」のギターソロ。オリジナルはもちろんスティーヴ・ハケットですが、ここでの主役はスティーヴよりはるかに長くジェネシスに関わったツアーメンバーのダリル・ステューマー。スティーヴが乗り移ったかと思うほど流麗に例のフレーズを奏で、どこまでもどこまでも飛翔していく彼のプレイを聴いていると感動の涙を禁じ得ません。それを一糸乱れぬバッキングで盛り立てる鉄壁のチームワークにも感動。
 どの演奏からもバンドとしての円熟しきった姿が伺えるこのライヴですが、円熟しきっちゃったってことは、後は…。(泣)

2004/12/31


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