混声合唱曲集空とぶうさぎ
〜ボニージャックス「車椅子のおしゃべり」より
4.指 輪
作詞 井上 直美 作曲 小六 禮次郎 編曲 西脇 久夫
ボニージャックスが制作してきたCDアルバム「車椅子のおしゃべり」は、すべて
身体に障害を持つ子供たちの詩をもとにした作品群です。
<井上 直美さん>
私は小さいときに小児麻痺にかかり、駆けて走ったこともあった私ですが、徐々に病気が
進行して、今では着替え、食事、トイレまで生活のすべてにわたって他人の手を借りなけ
ればなりません。私は施設に入園して、毎日多くの人の好意を受けています。
私はそのことに対して多くの人々に感謝しています。でも自分でできないということはとても
哀しく心に苦痛を感じます。なんでも自分でできるようになったらどんなにうれしいことかと
思います。そんな私ですが、朝のうちならパジャマを着替えたり歯をみがいたり、髪をとかす
ことが自分でできます。ささやかなことでも自分の力で出来ることを残しておいてくださり、
感情や思考力も与えてくださった神に強く感謝しています。
(曲集の作詩者紹介より)
「なぜ左手の薬指にしているの」
友達が聞くんです
別に理由なんてないけれど
誰にももらえそうにないから
二十一歳の誕生日に
私が自分で買ったの
細い金の指輪
嬉しくって
毎日そっと見ています
私の指に似合いますか