混声合唱曲集空とぶうさぎ 
 〜ボニージャックス「車椅子のおしゃべり」より

5.木  綿
作詞 小倉 久雄  作曲 西脇 久夫  編曲 西脇 久夫

ボニージャックスが制作してきたCDアルバム「車椅子のおしゃべり」は、すべて
身体に障害を持つ子供たちの詩をもとにした作品群です。



<小倉 久雄さん>
「木綿」はボニージャックスが○○養護学校を訪問した際に、メンバーの西脇久夫によって
作曲され歌われました。このころ小倉君は電動車椅子も操作できないほど衰弱していて、
ベッドに寝たまま会場の体育館で聴いていました。
「木綿」は小倉君と親しかった看護助手の桜田定子さんが異動で、別の病棟に移るとき、
桜田さんに贈られた詩です。看護助手は看護婦と一緒に食事、お風呂、用便、シーツの交換、
体位の交換など、生活のすべての面倒をみてくれる人です。桜田さんは小倉君にとって、
心をうちあけ、信頼して話のできる「やさしいお母さん」のような人だったそうです。
                                        (曲集の作詩者紹介より)

やわらかさはないけれど
なぜかとても暖かくて
いつでも心に愛をとどける
もうどこにも行かないで
そっとつつんでください
厚い雲が切れたら
もう春です

たよりなさはあるけれど
なぜかとても懐かしくて
いつでも心に愛をとどける
もうどこにも行かないで
そっとつつんでください
赤とんぼが飛んだら
もう秋です