混声合唱組曲
港の心
作詩 江間 章子  作曲 池辺 晋一郎

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Ⅲ. 幼い日の想い出

とても好きな西洋館があった
だれにも言えないくらい
好きな西洋館だった
お使いのときは遠回りして
その家の前を通ったっけ
木陰に白い椅子がひとつ
そこには洋書が一冊おいてあった
蟬しぐれの午後だった

その白い西洋館には
どんな人がくらしていたのだろうか
いまも心から消えない
幼い日のこと
だれにもいわなかった
たったひとつの秘密・・・・・・・・・・