混声合唱組曲 遥かなものを

作詩 伊藤 海彦  作曲 大中 恩

5.山 頂

足をはり 背をのばし
そがれた岩のはしに立てば
ひりりとしみる 西北(にしきた)の風
薄墨の雲をひきさき
陽はのぼる 陽はのぼる
まぎれなき ここはいただき

胸ふかく いきをすい
はてない空に むかい立てば
とりまくものは 静けさばかり
つぎつぎと色をかえつつ
陽はあふれ 陽はあふれ
まぎれなき ここはいただき

今ここに 道は果て
すべてまぶしい 天は瑠璃色
けれども道はふたたび生まれ
遥けさにむかってのびる
なお遠く なお遠く
憧れの 碧い彼方に