石垣りんの詩による五つの混声合唱曲
朝のパン

作詩 石垣 りん  作曲 萩 京子

3.花

夜ふけ、 ふと目をさました。


私の部屋の片隅で
大輪の菊たちが起きている
明日にはもう衰えを見せる
この満開の美しさから出発しなければならない
遠い旅立ちを前にして
どうしても眠るわけには行かない花たちが
みんなで支度をしていたのだ。


ひそかなそのにぎわいに。