ばら・きく・なずな −母に捧ぐ−
淡い花は 母の色をしている 弱さと悲しみが 混じり合った 温かな 母の色をしている 母の手は 菊の花に似ている 固く握りしめ それでいてやわらかな 母の手は 菊の花に似ている 神様が たった一度だけ この腕を 動かして下さるとしたら 母の肩を たたかせてもらおう 風に揺れる ぺんぺん草の実を見ていたら そんな日が 本当に来るような気がした